加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れの違いは何?原因と症状の表れ方などを比較!

「今日は何曜日だっけ?」「今日の朝ごはん何食べたかな?(そもそも食べたっけ?)」「鍵はどこにおいたかな?」など日常で何をしていたか、何を話したかなど忘れてしまう事はたびたびありますが、若い頃はそれほど気にしないけれど、年を重ねるにつれその「もの忘れ」が認知症の初期症状かも・・?と不安に思う事もあるかもしれません。または、高齢の家族がいる場合は、単なるもの忘れなのか認知症なのかでその後の対応・対処が違ってきます。
もの忘れとは記憶に問題が生じる状態ですが、加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れでは、いくつかの重要な違いがあります。ここでは、どのような違いがあるのか、それぞれの原因や症状の違いについて解説します!

加齢によるもの忘れとは

加齢によるもの忘れは、年を経るにつれて脳細胞が変性したり脱落したりして脳が委縮し、認知機能が衰える事で起こります。よって脳の機能が低下すると、記憶力のほか、判断力や適応力なども衰えてきます。そのためもの忘れの頻度も次第に増えていきますが、物忘れは一時的で短期的なものです。
歯磨きや着替え、排泄、入浴、掃除、買い物などの日常動作を忘れる事はほとんどなく、日常生活を送るうえでの影響はそれほど大きくはありません。加齢による物忘れは生理的な自然現象であり、認知症のように病的に進行するものではないため、物忘れの頻度は多くなったとしても日常生活への影響は限定的です。。

認知症によるもの忘れとは

認知症は、脳の血管障害や神経細胞の死滅が起こるなどして、認知機能が著しく低下した状態です。記憶障害だけではなく、理解力や思考力、判断力などの認知機能が障害されていきます。そのため、症状が進行すると、服の着替えや歯磨きなど日常動作の仕方が分からなくなったり、「トイレ」や「お風呂」という言葉が理解できなくなったりします。また、匂いや味が分からなくなるなど嗅覚・味覚機能も障害をうけるため、排泄物を素手でいじったり(弄便 ろうべん)、口に入れたものは何でも食べてしまったりするなど、日常生活を安全に営むことが難しくなります。認知症は病的な脳機能の障害であるため、徐々に進行します。

加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れの比較

加齢によるもの忘れは、脳機能の衰えにより起こる一時的な記憶の欠落です。一方、認知症によるもの忘れは、脳に病的な障害が起こる事で認知機能が低下するために起こります。
もの忘れの発生要因が違う事で症状の表れ方も下記のように違ってきます。

加齢によるもの忘れの特徴

・体験の一部分を忘れる
・ヒントを与えられると思いだせる
・時間や場所などの見当がつく
・日常生活に支障はない
・物忘れに対して自覚がある

認知症によるもの忘れの特徴

・体験全体を忘れる
・新しい出来事を記憶できない
・ヒントを与えられても思い出せない
・時間や場所などの見当がつかない
・日常生活に支障がある
・物忘れに対して自覚がない

※出典:厚生労働省 認知症ケア法-認知症の理解

認知症と加齢による物忘れの症状などについてまとめた比較表を作成しましたので、参考にご覧ください。

項目加齢によるもの忘れ認知症によるもの忘れ
原因生理的な脳細胞の老化病的な脳の神経細胞の破壊や変性
表れ方情報や記憶を取り出す時に起こる短期的な問題思考・判断・言語・空間認識など広い範囲の認知機能の障害
頻度ときどき頻繁
自覚自覚している自覚がない
対処の仕方ヒントを出せば思い出す治療や介護サービスが必要
改善の有無一時的 しばしば改善する改善しない
進行性ほとんど進行しない
(徐々に頻度は多くなる)
時間の経過とともに進行する
日常生活
への影響
支障はない支障がある

このもの忘れ症状が出たら要注意!認知症を疑うべき症状

もし、以下のようなもの忘れ症状がでたら認知症の可能性がありますので、すぐに病院で検査をしましょう。

認知症かもしれない もの忘れの症状

・直前に行っていた行動を覚えていない
・約束や予定を忘れるようになった
・慣れた道に迷うことがある
・季節や場所がわからなくなる
・何度も同じことを聞いてくる
・人の顔や名前が思い出せない
・性格や行動が変化する

もの忘れの症状が認知症かどうかセルフチェックしましょう!

以下のサイトで、もの忘れの症状が認知症かどうか確認するためのチェック項目が掲載されていますので、ぜひセルフチェックしてみましょう。

自分でできる認知症の気づきチェックリスト/とうきょう認知症ナビ

https://www.fukushi.metro.tokyo.lg.jp/zaishien/ninchishou_navi/checklist/index.html

東京都健康長寿医療センターの研究チームと医療機関が共同で作成したチェックリストが掲載されています。
詳細はこちら → https://www.tmghig.jp/research/topics/201409-3406/
※URLをコピー&ペーストしてアクセスしてください。

アルツハイマー型認知症と症状の関連性をAIで無料でチェック/ユビー

https://ubie.app/lp/search/alzheimer-syndrome-d2

もの忘れという症状からアルツハイマー型認知症と関連があるかどうか無料でチェックできます。同じページの下の方にアルツハイマー型認知症はどのような病気なのかその知識についても書かれていますので、ぜひご覧ください。
※すぐに読みたい方はこちら
  → https://ubie.app/lp/search/alzheimer-syndrome-d2#toc-disease

このサイトは、症状から病名を無料で調べることができる「ユビー」というサイトです。ユーザー登録をしなくても無料で病名診断でき、ちょっと気になる症状があると、いつでもスキマ時間に調べる事ができるので、とても便利です!アプリ(iPhone/Android)もあります。

もの忘れの症状が気になったら検査しましょう!

加齢によるもの忘れと認知症によるもの忘れでは、原因や日常生活での影響が大きく違い、また進行するにつれて日常生活への影響度合いが大きく違います。認知症が原因だった場合は症状が進むにつれて同居する家族への負担は大きくなります。
認知症は、初期であれば投薬などにより進行を抑制したり遅らせたりすることができますので、少しでも気になる事があれば、病院で検査する事をお勧めします!

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